日本人と宗教
日本人と言えば、仏教? 神道?と思っている人が多いと思いますが、実は日本人の多くは無宗教なのです。
色々な統計を見ると、神道の日本人が90%以上などと書いてありますが、実際は違います。周りの日本人に聞いてみて下さい。
但し(ただし)、日本人とて無神論者(むしんろんしゃ)は少ないと思います。「神様なんてこの世にいない」と言い切る人はいますが
その人たちだって困ったときは手を合わせて「神様、お願いします」と祈っているはずです。
たとえば、子供の入学試験とか、子供が無事に生まれますようにとか、手術の前とか、自然災害で家族と連絡が取れない時とか、
日本人は全員「困ったときの神頼み(かみだのみ)」をするのです。
いつも「神様なんてこの世にいるはずがない!」と言い切る、このような『ふとどきもの』の都合のいいお願いを神様は聞いてくれるのでしょうか?
歴史を遡って(さかのぼって)、インターネットもテレビも新聞さえもなかったような時代を考えてみれば、きっと日本人は自分たちの住まいの近くにあるお寺や神社を頼りにして信仰していたのだと思います。情報が何もない時代においては、何か困りごとがあればきっと近くの神社やお寺にお参り(おまいり)に行って「どうぞ、神様お願いします」と手を合わせていたと思います。
でも時代は変わり『初詣(はつもうで:今年初めてお寺や神社にお参りに行ってお願いごとをすること)』は、若い人たちにとって一種のイベントになりました。
一年の最初に神様(この場合、神社でもお寺でもかまわない)にお願いに行って、これからの一年をラッキーに過ごそうというのです。
日本人の民族衣装である着物を着るというチャンスも今ではあまりなくなりましたので、初詣に着物を着るのは若い女性にとって華やかな自分をアピールする機会でもあります。
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結婚式
このように、仏教だか神道だかはっきりしない日本人ですが、結婚式は教会で行う人が多いです。この場合、正式な教会ではなく結婚式場が作った偽物の教会という意味です。
これは私の家にある素敵な教会(実は結婚式場)ですが、大変ロマンティックで人気があります。
新郎(しんろう:bridegroom) 新婦(しんぷ:groom )はキリスト教の結婚式に似た結婚式をします。それは花嫁(はなよめ groom)がウェディングドレスを着るのが一生に一度の夢なので似たような儀式(ぎしき)が行われますが、実際のクリスチャンの方(かた)の結婚式はもっと荘厳(そうごん)で厳粛(げんしゅく)です。これは新郎か新婦がクリスチャンでないとキリスト教の教会で結婚式を挙げる(あげる)ことはできません。
日本語では、新郎新婦(しんろうしんぷ)と男性を先に言うのに英語は反対ですね。興味深いです。
もちろん、神社で結婚式をする人もいます。これを神前結婚(しんぜんけっこん)と言います。派手なウェディングドレスも誓いのキスもありませんが、日本古来の結婚式の衣装を着てふたりの親族同士が結びつくという考え方のもとで、『三々九度の盃(さんさんくどのはい)』(盃:さかずきを重ねることによって「家と家」の固い絆:きずなを結ぶ)を交(か)わし、『玉串拝礼 (たまぐしはいれい)』 という、玉串(たまぐし)に二人の心を乗せて神に捧(ささ)げるという意味、などの儀式(ぎしき:protocol)を通(つう)じて、愛を誓います。
これはこれでとてもお金がかかりますので、決めるのは女性がどの衣装を着たいかということになるのではないでしょうか?
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このように宗教に関しては何も知識がないし、ごちゃごちゃの感じがする日本人が殆どです。 私も同様、無宗教ですが、神様は天のどこかにいらっしゃると信じています。
私がうまくいかないと「まだまだ神様が私を試していらっしゃるのだ」と思ったり、危ないことがあって助かった時は「まだ神様に見捨てられていなかった」と感謝します。
日本国中に神社・お寺が山ほどあってそれを信じていないなんて、なんだか外国人の皆さんには信じられない話かもしれませんね。 でもこれが現実です。