大丈夫です というと
ちょっと前までは、例えば
- 人にぶつかりました。 「あ、大丈夫ですか?」 「はい、大丈夫です」
- 袋が小さいかな・・という時 「その袋で大丈夫ですか?」 「はい、これで大丈夫です」
- 明日の送別会の出欠を確認する時、「明日、大丈夫?」「はい、大丈夫です」
上記の3つの例文は、今まで私達が使ってきた「大丈夫です」= OKの意味です。
ところが、最近(もう数年前からなのかもしれませんが)若者を中心に
No, thank you. の意味で 大丈夫ですが使われるようになってきました。
最初に違和感を感じたのははコンビニです。
「お箸は大丈夫ですか?」と聞かれ 「いいです。」というと
若い店員さんは、ちょっと不可解な顔をしながら箸をくれました。
こんなことが数回続くと、あ~どうやら若い人は大丈夫です=要らない、No, thank you. の意味で使っているので
それ以外の答え方をした場合は、いいです=OKですと捉えられてしまうのだと気が付きました。
それでも、日本の社会は若者だけで成り立っているわけではないし、スーパーの店員さんなどは年配の方もいらっしゃるわけですから
これは一時の若者の流行だと思っていましたが、ドラマの中の会話で
上司が部下たちを「今日、飲みに行かないか? 私がご馳走するから」というと
その上司があまり好きではなかった部下たちは全員、「私、大丈夫です」「私も大丈夫」と言って、
上司はしょんぼり。
ここで、いよいよ、この No, thank youの意味の大丈夫ですが、市民権を得つつあると私も思いましたので
仕方なく、この表現をするようになりました。するとスーパーなどの年配の店員さん達も
若いお客さんの「大丈夫です(No, thank you)」の洗礼をたくさん浴びたのか、私と同じように
必要ないという時は 大丈夫です
という表現でコミュニケーションできるようになりました。
では、日本語学習者の皆さんが日本の社会で日本人とコミュニケーションを取る時、
どうすればいいのか?
それはね、相手を見て判断してください。
友達や会社の同僚(あまり年が離れていない)と話すときは
大丈夫です=No, thank you の意味
ビジネスでの会話や年配の方との会話では
相手の都合を聞く時に、大丈夫ですか?というあいまい表現は避けて、
ご都合はいかがでしょうか? と質問し、もし「大丈夫です」という返事が
返ってきたら、
「あの・・・念のため確認させて頂きたいのですが、〇月〇日の会議には
出席して頂ける・・ということでよろしいでしょうか?」と確認をします。
ビジネスで会話している相手が、日本の若者の場合、
「ご都合はいかがでしょうか?」 と質問し、もし「大丈夫です」という返事が
「あの・・念のため、確認なのですが、それはご出席いただけないということで
ございますか? 日本の方の年代によって、(大丈夫です)は違った意味で
使われると聞いたものですから」というように確認しておくと、確実ですね。
但し、相手が疲れていそうだったり、体調が悪そうだったりした時に
相手の体調を尋ねるときは、「大丈夫ですか?」と聞く、これは年代を問いません。
言葉は時代とともに変化していくものです。でも、私の主人のように、会社も退職して
新しい物を取り入れるのが苦手・・というか頑固で自分は常に正しいと考えを変えようとしない
年配の方が多いのは事実で、そういう方たちは、「若者なんて」と思っています。
このような面倒な大人ともコミュニケーションを取らなければならないとしたら、
やはり、常に相手の立場に立って臨機応変に対応する力が必要なのではないでしょうか?
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