教科書には書いていない、学校でも教えてくれない「20000円もした」という表現を勉強したいと思います
昨日の生徒さんのレッスンから。 生徒さんは大学時代のお友達のことを話してくれていて、お友達はいつもブランド品を身に付けていたようで、「そのスカーフ(つまりお友達のスカーフ)は2万円かかりました」と言ったので、「ちょっと待って」と話を止めました。
確かに東京から大阪まで新幹線で20000円かかります、というし、ゴールデンウィークの旅行に5人家族で10万円かかりました、と使いますね。でも、「そのスカーフは2万円かかりました」とは言わないんですよ。では、何て言えばいい? 皆さんわかるかな?
正解は、「このスカーフは2万円もしました」とか、話をこの先続けるのであれば、「そのスカーフは2万円もするスカーフで・・・」という言い方をします。それでは、スカーフの値段が1000円だった場合はどうでしょうか? 「そのスカーフは1000円しました」とは言わないんですね。この場合は単純に事実だけを説明して、「そのスカーフは1000円でした」とか 話を続けるのであれば「そのスカーフは1000円だったんですが・・」という言い方になります。
では、いつ「かかる」を使って 「する」はどんな時に使うのでしょうか? 色々例を挙げて考えてみましょう。まず、毎月支払う経費、例えば水道代・電気代・携帯料金などはいくら高くても「かかる」を使います。毎月の水道料金は大体6000円ぐらいかかります。携帯料金は機種代を含めて18000円ぐらいかかります。と言います。でももしも、特別な月があって、いつもは6000円の水道料金が今月は8000円だった場合、高いという意味を表すのに「も」を加えて、今月は水道料金が8000円もかかりました。いつもは大体6000円ぐらいなのに・・・という言い方になります。友達とのご飯はどうでしょう・・・いつもは一人1000円ぐらいの予算で食べているけど、今回は来月からアメリカに行く田中さんの送別会を兼ねていたから、今回の友達とのご飯会は一人3000円もかかりました。今回は田中さんとしばらくの間お別れになるのでいつもより高いお店で食べました。 やはりこの場合も「かかります」 「もかかりました」と料金の大小にかかわらず「かかる」という言葉を使います。
それでは、あなたはいつもいくらの消しゴムを使っていますか? 私は消しゴムはダイソーでだいたい3個100円のものを使っていますので、私の使う消しゴムはいつもは1つ33円ぐらいです。でも、今大人気の鬼滅の刃とコラボした消しゴムなら二個セットで550円もします。・・・ほら、ここで ~円もします という表現が出てきました。消しゴムに限らず一つの商品、例えば昨日の生徒さんのお話だとスカーフね、スカーフの値段はだいたい高くても3000円ぐらいでしょう? それが20000円となるとブランド物か、よほど素材のいい物に違いない。 でも本人が高いと感じた時は 20000円もした というんです。これが昨日の生徒さんのお友達はたくさんブランド品を持っていて、生徒さんのお友達にとっては20000円のスカーフは普通に違いない。その場合、生徒さんの友達が話すとしたら「このスカーフは20000円だった」という表現になり、聞いていた周りの人たちは「高っ!」と感じたら「えーーこれ20000円もするの?」と言うことになります。区別がついたかな? では例を挙げますので、みんなで考えてみましょう。
日本の春水堂の白桃タピオカミルクティは750円です。日本人にとって台湾のお店のタピオカミルクティは高くてもおいしいので750円もしますではなくて、750円です(という事実を述べるだけです)でも、ショッピングモールのフードコートの台湾のお店でもない普通日本のハンバーガーショップのタピオカミルクティが500円で、しかもおいしくなかったとすると、それは高いと感じるので、ここのフードコートのタピオカミルクティは500円もしたのにおいしくなかったという言い方になります。
皆さんは車やバイクに乗りますか? 毎月その費用はいくらぐらいかかりますか?私の車はプリウスでガソリン代はあまりかからないので月に6000円ぐらいかかります。皆さんはどうですか?
洋服代はどうですか? 毎月いくらぐらいお金をかけますか? 私は多分平均して月に3000円ぐらいしかかからないと思います。こうやって衣装全体の費用という意味で言うときは 「かかります」「かかりません」を使うのですが特別な1枚の服、下着でも、帽子でも、靴でもいいです。自分で高いと思った場合は、この靴は15000円もしましたという言い方に変わります。
ここまで言うと、賢いみなさんはもうわかってきましたね。全体のこと、費用(毎月のとか、旅行代金とか)の場合は「かかる」「かかります」「かかりました」「かかりませんでした」と言います。
一方、個別のもの、小さな消しゴム1個から大きな冷蔵庫に至るまで、1個の値段について、「高かった」と言いたい場合は この冷蔵庫は40万円もしました。と言います。もちろん、あなたにとって40万円の冷蔵庫が高くなかったらこの冷蔵庫は40万円でしたと言ってください。
たくさん、例をあげましたので、もしかしたら混乱するかもしれないんだけど、何回か聞くうちにわかってもらえると思います。わからなかった人は時間のある時に何回でも徹底的に聞いて理解するようにしてください。
以上、教科書には書いていない、学校でも教えてくれない「20000円もした」の表現でした。
この記事へのコメントはありません。