突然ですが、皆さんは、気になると気にするの違いがわかりますか? 日本語の授業の中でよく生徒さん達が混同するのがこの2つです。
日本語文法の観点から言えば、
前の助詞が、「~を気にする」「~が気になる」となりますので、
「気にする」の「する」は他動詞
「気になる」の「なる」は自動詞という違いがありますが、それだけではわかりにくいですね。たくさん例文を作って違いを考えてみましょう。
では、まず、気になるから。
例文:
明日はディズニーランドに行く予定だから、天気が気になる。
就職の面接で、どんなことを聞かれるのかとても気になる。
昨日美容院で髪を切ったんだけど、似合っているかどうか気になる。
私は髪型なんて全然気にならない。これらの例文から気になるには心配だという意味が含まれますね。但し、あの子のことが気になるという使い方では、心配ではなくて、ちょっと好きかもしれないという意味になります。皆さんは周りに気になる人がいますか?
次は、気にするの例文
彼は細かいことをいちいち気にし過ぎで、ハンサムなのになかなか彼女ができない。
仕事で多少失敗しても、全く気にしない。だって自分なりに頑張っているから。(いいですね、こんなに楽観的な人は。でも私がこういう人になりたいかと聞かれたらそれはNOです。仕事で失敗したらやはり少しは気にして、次に失敗しないように心がけるべきだと私は思います)
Q: 結婚相手に望むことはなんですか?
A: 結婚相手の容姿(ようし)は気にしません。でも、年収は気になります。(これは会話では助詞は どちらも”は”を使いましたが、わかりやすく言うと容姿を気にする、年収が気になる と なります。)
皆さんは生活する上で気にしていることはありますか?私は太っているので、買い物に行くとき、食材に糖質がどのくらい含まれているか気にして買い物をします。それに血圧も高いので外食の塩分を常に気にしています。
それから、これは私の個人的な主観なのですが、日本の田舎に住む人々は、自分や家族が他人にどう思われるのかを気にする人が多いように思います。私は長崎の生まれで現在は横浜に住んでいますが、実家に帰る度(たび)に、父によく言われたものでした。そんな真っ赤な人を食ったような爪をしていたら、近所の人に石を投げられるぞ・・・これは父なりの「目立ってはいけない」という表現でしたが、髪の色が赤いとかスカートが短いとか、よく親に注意されましたね。私は父に何を言われても気にしませんでしたが・・・
これらの例文からわかることは、気にするは心配とまではいかないけど心の中に何らかのひっかかる感情があることです。
では、他の「気」を使った表現を見てみましょう。
気が合う=その人と価値観が同じだと感じられること
気が多い=彼女や彼氏がいるのに、他の人も好きになってしまうこと。
気が重い=憂鬱だということ。
気が利く=なんでもよく気が付いて人のために行動すること。
気が進まない=気が重いと同じような意味でやる気が起きないこと。
気が小さい=ビビり。
気が大きい=小さなことを気にしない
気が長い=のんびりとしている、ゆったりとしていること。
気が早い=せっかちで、かなり先のことをもう考えている。彼が私の両親に結婚の挨拶をすると気が早い両親はもう孫の話をしている。
気に食わない=好きじゃないこと。
気が滅入(めい)る=憂鬱になること。
気を(が)張る=緊張する。
気が緩む=緊張が解けること。プレゼンの時は気が張っていたので全然疲れなかったが、終わったとたんに気が緩んでどっと疲れた。
気が紛(まぎ)れる=嫌な気分や緊張感が、他に関心を向けることによって忘れられること。「会社で嫌なことがあったが、お気に入りのアイドルの動画を見たら―・れた」
気を許す=相手を信用して警戒心や緊張をゆるめること。「信頼のおける人からの紹介だったので、あの男に気を許したのが間違いだった。一千万円も騙し取られてしまった。」
この記事へのコメントはありません。